全ての色は、赤・青・黄色のたった三つの色の組み合わせで成り立っている。
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| 目立つ色というものはない。目立つ、目立たないは背景との関係による。 背景を論じることなく、「この色は目立つ」とか「この色は綺麗だ」とか決め付けてしまう人がいますが、これらは、背景やその色を取り巻く周囲の状態で決まるものです。ありがちな話として「赤色は目立つ」と言われることがありますが、果してそうでしょうか ? 特に、鮮やかな赤色は他の色に比べて刺激の強い色です。それゆえにこの色を文字に使った場合の視認性を考えてみると、黒を使った場合のそれと比べて劣っている・・・つまり、色としては目立っていても、文字としては読みずらいことがわかります。 ![]() ベストな配色を得るキーワードは「バランス」と「相性」である。 絵画やデザインにおいて、配色の良し悪しは作品の印象を左右する極めて重要な要素です。また、色彩の重量バランスに対する考慮も同じです。それでは、よい配色とはどのようなものでしょうか・・・。そのキーワードは「バランス」と「相性」です。といっても表現の方向性は様々ですので、殆んどは感性に依る所が多いのですが、それでも、絶対に調和しない組み合わせがあります。それは、彩度100%の補色同士の組み合わせです。それさえ気をつければ、後は試行錯誤するのみです。ヒントは、配色のそれぞれの色に共通した要素を持たせることで、一体感が生まれ、調和させることが出来ます。 ![]() 主題に適した主となる色を設定することで、より明確な画面の性格付けが出来る。 ひとつの画面を組み立てるときに、メインとなる色をあらかじめ決めておけば、全体の配色を大きく崩すことはありません。たとえ目の前にあるものが雑然とした色の集合体だとしても、全体を支配している色がどんな色なのかを把握し、意識していれば、おのずと調和のとれた画面になるものです。つまり、調和しにくい色に色被りさせて主色に溶け込ませるということです。これは、グレージングと呼ばれているテクニックで、やり方は様々ですが、一般的には画面全体に主色を薄く色掛けするもので、製作の途中や最終段階で実行します。 ▼ 図の左側から、オリジナル、グリーン50%のオーバーレイ、マゼンタ50%のオーバーレイ。 ![]() ▼ 絵画作品に適用した例。 ![]() 配色を学ぶには専門書を読んでもダメ。まずは学び方を学ぶべし。 魅力的な配色を得るのに絶対的な方法はありません。配色に関する参考書は数々ありますが、いずれもごく基本的な原理・原則・理論を記すにとどまっています。サンプルを示してみても、これが配色です・・・といった決まった答がないからです。結論をいうと感性を磨くしかないのです。では、何から学べばよいのかということになりますが、配色の学習・・・そのひとつの方法として、自然から学ぶことを薦めます。成るべくして成った自然の中には多くのヒントがあります。何気ない風景の一角に完全無欠の配色の妙が隠れているものです。 ![]() 配色は、常に人の感情を伴う。色だけを取り扱っていても配色の有効性を見出せない。 絵画や工作物を創造する場合、それに適した配色というものがあります。このことは、特にデザイナーが心得ていなければならないことですが、ここでは絵画制作の場合を考えてみます。絵画の場合はその内容に適した配色ということになりますが、たとえば、楽しいはずの場面に暗くて重苦しい感じの配色はありえず、また、安らぎを表現する筈のものに、狂気を感じる配色もありえません。このページの右側に掲載したサンプルに見られるように、配色は常に人の感情を伴います。 パステルカラーは全ての色を白が支配している。 いわゆる、パステルカラーに原色が馴染まないのは、全ての色を白が支配しているからです。でも、それゆえに、全体をパステルカラーで構成する限りは、配色に失敗しない比較的楽に取り扱える色でもあります。明度の諧調が狭い分、表現の幅に限りが生じるのが難点ですが、独特の夢心地で柔らかな雰囲気は他では得られないものです。 ![]() |
| 色彩が持つ固有の感情・・・喜怒哀楽は、色彩や配色で表現できる。 色や配色からは様々な感情や心理状態を読み取ることができます。そして、それは人や人種によってまちまちなのではなく、ほぼ同様のものです。この事から考えて、おそらくは、人類が原始生活をしていた頃からの長い経験から得た人間の感受性の特性が多分に影響しているのでしょう。感じ取れるのは単純な喜怒哀楽ばかりではありません。配色の組み合わせによっては、「不安と期待、さらに何となく寂しい思い・・・」というように複雑に絡み合った心模様さえ感じ取れます。 ![]() 複合的な感情を配色で表現するときは、非常識な配色もありうる。 人間の心模様には、単一の感情ではなく、様々な感情が入り混じった状態というのはよくあることです。時には相反する感情が同時発生することさえあります。葛藤・不安・迷い・虚ろ、などといった不安定な精神状態を配色に込めようとする場合、不調和でアンバランスな状態を構築しなければなりません。「配色の常識と非常識」の中で、よい配色とは、バランスがとれていて相性がよいことだ、といいましたが、複合的な感情表現が伴う場合には例外もあることを覚えておいてください。 ![]() 無彩色に特定の感情を見出せないのはなぜか。 白・灰・黒、といった無彩色が他の色と決定的に違うところは、特定の感情に傾かないところです。言い換えれば、「無表情な色」ということになります。では、なぜそう感じてしまうのかを考えてみましょう。無彩色とはいっても、その構成要素はいわゆる三原色です。無彩色は、その三原色が等しいエネルギーを持って混在しているために、どの色にも傾かないのです。従って特定の感情を見出すことも出来ないのです。でも、あえてこの状態を表現するとすれば、「虚無」ということになるでしょうか。 ![]() 人によって色や配色の好みが違うのは、それぞれの慢性的に求めているものが違うから。 人によって色や配色の好みが違うのは言うまでもないことだと思いますが、では、なぜ違いがあるのでしょうか ? そもそも好みとは、その人が慢性的に求めている自分自身や身近な環境の「或る状態」のことだといえます。であるとすれば、色彩や配色の好みから、その人の求めている物や状態、あるいは人間性についてもある程度推察することが出来ますし、また、そういう人達に向けた色彩的アプローチの方向性もはっきりしてきます。 ![]() 自然界に見られる配色には必然性があって、人は本能的に自然を求める。 成るべくして成った配色には、必然性があって、無理がありません。配色作業をするときは、ああだこうだと模索するよりも、自然の中から探し出したほうが失敗も少なく、早道です。特に、鳥や昆虫などを見てみると、美しく調和がとれていて、非の打ち所がありません。人間がいくら苦心して新しい配色パターンを編み出しても、自然界の中に必ず同じものがあるのです。 その気になれば見えてくる。無彩色に潜む感情の綾。 無彩色に特定の感情は見出せない・・・とは言いましたが、無彩色と呼ばれているものが有彩色で成り立っている事を考えれば、まったくの虚無状態とは言い難く、むしろこれほど奥深い感情の綾を持った色は他に無い、とさえ思うことがあります。ただ、それを感じ取れるようになるには、物事を極限まで掘り下げて、観察・分析できるようになる必要があります。何もないように見えるものの中に何かを見出す、といった無理難題ですが、色彩を理解しようとするなら、このレベルまで到達して欲しいものです。 ![]() |
| 混同しやすい、色と光の三原色の違い。 色の三原色については「色彩の基礎知識」で紹介した通りですが、実は光にも三原色というものがあり、その内容は、色の場合とは異なります。おおざっぱに言って色の三原色は、赤・黄・青ですが、光の三原色は、赤・緑・青です。色の場合の緑色とは、青と黄色を混ぜることで得られますが、光の緑は原色としての位置づけになり、黄色の主成分は緑と赤の間のエリアにあります。 ![]() 色は光に影響し、光は色に影響を及ぼす。 色が光によって成り立っていることは、「色彩の基礎知識」でも触れましたが、光自体にも色があるために、色の見え方は常にその光の影響を受けます。青味を帯びた光が当たれば、物は、その青の影響を受け、また、赤っぽい光が当たれば、赤の影響を受けるといった具合です。周辺からの反射光に含まれる色味も影響することは言うまでもありません。 ▼ 光源の色味が変われば、物の色も変わって見える。 ![]() 色彩の彩度は受ける光量や大気の状態によって増減する。 ちょっと気づきにくいことかも知れませんが、彩度100%の色でも、それに照射される光量が少なくなると、見た目の彩度も下がってきます。光量が下がるということは、サングラスをかけて物を見るのと同じことです。つまり、目の前にグレーのフィルターをかけた状態ですから、目に届く色にいくらかの無彩色が加わるというわけです。これと似た理屈で再度が下がるケースがあり、霧や靄などがそれにあたります。光量の減少とは反対に、大気中で光が乱反射するために、その中を通過する色に白いフィルターがかかってしまい、結果、彩度が落ちて見えるというわけです。 ![]() 自然光は、天候や時刻で色温度が変わる。 自然光の色温度は一定ではありません。かつて、「モネ」を始めとした印象派の画家たちが光にこだわり、探求し、物体ではなく、光そのものを描こうとしたことは、美術史上、一筆に値する出来事です。なぜそんなことをしようとしたのか・・・これは、私たちが物を見るということは、物に反射した光そのものを見ていることになるからです。自然光は、朝・昼・夕方、また、晴天・曇天・雨降り、など、時刻や天候で色温度が変わることを知っておいてください。 ![]() 塗れた物の色が鮮やかに見えるのは、反射光が拡散しなくなるから。 雨上がりの風景を見て、雨が降る前と比べて色が鮮やかになっていることに気づいたことはありませんか ? これは、気のせいではなく、実際に鮮やかになっているのです。通常、物の表面は微細な凹凸があって、その凹凸が物の表面に光の反射と影の部分を作ります。つまり、あてられた光を拡散している場合が多いのです。しかし、表面が濡れることによって微細な凹凸や隙間が埋められて滑らかになり、反射光は一方向に向かうようになります。同時に、わずかな水分の中で色が反射するので、余計に鮮やかに見えるのです。 ▼ 写真左が乾いているときで、右が濡れているときの色。 ![]() 物の色と同じ色相の光を当てると、色はいっそう輝きを増す。 どちらかというと、写真やディスプレイデザインに関するテクニックになりますが、絵画に活かせることがあるかも知れないので、掲載することにしました。わざわざ物と同じ色相の光をあてるというのは一見無意味な感じがするとは思いますが、実際やってみるとその効果は明らかです。実際よりも鮮やかで、色に透明感が加わるとでも言えばいいでしょうか。なぜそうなるのか、詳しくは解りませんが、有効なテクニックであることは確かです。 ▼ 写真左が標準的な白色照明で撮影したもので、右が赤色照明を使った場合。 ![]() |











